2008年12月23日

そして、警官は奔る 日明恩



 そして、警官は奔る
 日明恩
 発行年月日:2008/08/12
 ISBN:978-4-06-276131-4

 276131-1.gif

 読み終えて、しばらく経ってしまいましたが、記事に。

 深刻な社会問題(課題)や武本たちのその後、課題への怒りや希望などなど・・・色んなことを盛り込みたかった著者は、それらを上手く書き上げています。

 推理小説としての面白さと、真剣に課題に向かって議論する登場人物、やや会話が長い印象もあったが、バランスは崩れていないと感じた。

 登場人物の描写や潮崎のご都合主義で、行き過ぎのような設定もあるが、展開の面白さに加速感がある。
 600ページを超える大作なのに、一気に読めました。

 著者は、登場人物を丁寧に書き上げます。
 事件性よりも人物主体の書き方って、作家・垣根良介に通じる。

 垣根さんが、人物を書き込むことは大切だと言っていたのを思い出しました

 彼らの背景(人柄)を充分読ませることが、今回の事件に向かう登場人物達の姿勢に納得できて・・・そこが面白い。

 羽川のぞみが抱えるテーマに、読者は身につまされる感はあるが、そこを是正?させようとする刑事達の対応が、この課題に幾つもの分岐があることを示唆されているような・・・

 刑事の持つべき姿勢って何が正義なのか、なかなか取り組みづらいテーマをこれだけ書けるって何者、しかも推理小説の面白さを欠落させないわけだから著者は大したもんです。

 あまり上手い読書感想文を書けないので、大矢博子さんの「解説」を是非読んでもらいたいです。
 言いたいことが、モロ書かれてます。

 是非、他の著作も読んでみたいと思う。

posted by 雪になあれ at 01:10| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日明恩(たちもりめぐみ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月25日

それでも、警官は微笑う 日明恩



 それでも、警官は微笑う
 日明恩
 講談社 (ISBN:4-06-275457-6)
 発行年月 2006年07月

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 面白い本でした、展開が楽しみで空き時間をみつけては読んでいました。
 著者は、「魅力的な登場人物」と「好きな街」を意識して書いていると思いました。

 著者は目白から通う大学の街にいたようで、武本が愛する池袋を登場させていました。

 小説の登場人物に、他の推理小説家が書いている個性的な刑事の名前を発言させているとも感じました。
 冒頭の方で、潮崎に「合田刑事」を語らせていて、これは高村薫が書いたあの魅力的な刑事。

 そんな暗示があったせいか、高村薫の「マークスの山」を思い出しながら読んでしまいました。
 著者自身、高村薫の作品群は目標なのか?若しくはかつて愛読していたか?

 愛着を持って書き上げた武本、潮崎、安住、宮田。
 どれだけ愛着があるかは、最終章から測れます。

 そして林にも、こだわりがあったのでしょうね。
 林の最期があったのかなかったのか、武本の目標として暗示させる閉じ方を選んだのか・・・

 林が行方不明でも、なぜか前向きな話の閉じられ方に、清々しさみたいな印象を受けてました。

 彼らのその後に興味を持たないわけにはいかない、そんな巧みなストーリーでした。

posted by 雪になあれ at 22:58| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日明恩(たちもりめぐみ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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