2008年07月09日

ラストソング 野沢尚



 ラストソング
 野沢尚
 講談社 (ISBN:978-4-06-275966-3)
 発行年月 2008年02月

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 先日、NHKだったか、故野沢尚を採り上げた番組を放映していました。

 仕事から帰ってテレビを付けたら、「ラストソング」が韓国映画化されるという最後の場面で、この作家はかつて読んでいた時期があって興味を持って観ていました。

 残念なことにもう亡くなられていて、これから多くの小説を書いていくような印象の作家だったことを憶えています。

 確か江戸川乱歩賞受賞の「破線のマリス」から読み始めた記憶があって、「深紅」や「魔笛」などを読んでいた。
 最初に読んだ「破線・・・」が緻密な小説で読み応えがあり、気に入った作家でした。

 自分としては脚本家の野沢尚よりも推理小説家の印象が深いです。

 テレビの影響で、久しぶりに読んでみました。
 とても情熱を感じる小説で、登場人物の境遇が著者自身の経歴に重なって仕方なかった。

 小説の面白さとしては、自分は歳を取りすぎているせいか、足りない感じです。
 どうもストーリー展開には合点がいかなかった。

 ただ著者のエネルギーには圧倒されました、自身を投影したのは一矢になるのか。
 ただ、書いた時期は乱歩賞を受賞する前で、映画の脚本を苦労の末に仕上げてからノベライズした経緯があるようで、特異な作品のはず。

 まだ小説家の可能性を手繰り寄せようとしていた頃に、これだけの情熱を注ぎ込んだからには、内に秘めた何かがあったと思えてならない。

 夢に向かって力を結集した仲間が、最後にはそれぞれの道に進むという暗示のある結末には、著者が亡くならなければならなかった理由まであるような気がしてくる。

 韓国映画化が成功することを祈りたい。

posted by 雪になあれ at 21:44| 埼玉 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 野沢尚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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