2008年06月21日

京都はんなり暮し 沢田瞳子



 京都はんなり暮し 京都人も知らない意外な話
 沢田瞳子
 徳間書店 (ISBN:978-4-19-892800-1)
 発行年月 2008年06月

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 こんな京都案内本を読みたかった。
 壺に入った感じです、適度に歴史観を織り交ぜて適度な街案内をサラリと語っている感覚でした。

 実際は、著者が過ごしてきた「京都」に、相当調べ上げた「京都」を重ねていると思う。

 京都人のあっさりしているような執念深いような複雑な心理を、深刻にならないようにたくさんの挿話を紹介しながら、著者自身に言い聞かせるように書き上げた様子が読み取れます。

 非京都人が思い巡らす京都観と、そこに住む京都人の京都観との差異は相当なもののはず・・・ただ京都は日本人にとって永遠の都で、そこだけは動かせない、どこまでも憧れの地です。

 行間に著者の京都人としての誇りや優越感が垣間見えるけれども、嫌みには感じられない、それは同胞であるはずの京都人の「えげつなさ」まで書ききった姿勢に共感が持てるからでしょう。

 この本は、四季の章立てで構成されています。
 時候の特徴や季節感を象徴する京都の歳事などを採り上げる手法で、非京都人が考える季節と同化できる魅力ある京都話を絶え間なく続けていて飽きさせない。

 もうひとつ感じた特徴は、文学好きな方の文体だという点、著者のプロフィールに文学部出身と記載があって納得。

 「・・・なのだ」、「・・・である」・・・言い切りの語尾が、読み易かった、というか京都らしく、さらに随所に書かれていた京都弁の柔らかな言葉遣いを効果的に読ませることに成功している。

 続編があれば、さらに読み進めたい。
 そんな好感の持てる本でした。

posted by 雪になあれ at 00:44| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 沢田瞳子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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