2010年10月17日

ナチュラリストになりたい 福岡伸一トークイベント



 福岡伸一トークイベント 「ナチュラリストになりたい −ドリトル先生と生物多様性−」

 日時:2010年10月16日(土)18:30〜20:00(開場:18:00)
 会場:青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山

 20101016fukuoka.JPG


 昨日、青山ブックセンターでの福岡先生のトークイベントに行ってきました。
 生物多様性に関するレクチャーを中心に、福岡先生の著作に関する紹介を兼ねたトピックスを語られていました。

 感覚的に生物の多様性が、地球上の秩序を保っているというのは漠然と理解できる、自然界の秩序が私たちの生活を支えているのに、その秩序を破壊しているのも「人」だという事実もあって、複雑です。

 それから、生物多様性については、生物資源の所有権?に関する課題を紹介していましたが、解決にはハードルが高そうです。

 薬品のタミフルの原料を事例として採り上げていました、その資源の所有権者への見返りを求める仕組みについて締約国で同意できるか、というような話でした。

 しかも、その資源の所有権を、時代を遡って認めるかどうか、資源国はより長期間見返りを求めたいし、資源を使って商品を開発して利益を上げている方は払いたくない。
 結局は利権なので、このテーマは平行線が続くんでしょうね。


 その筋の本から、全体像を引用すると・・・こんな感じです。

 生物多様性条約は、生物多様性を包括的に保全することを目的として、3つの柱があるようです。
 @生物多様性の保全
 A生物多様性の構成要素の持続可能な利用
 B遺伝資源の利用から生ずる利益の公正で衡平な配分
 とされています。

 外務省関連サイト


 トーク後半は、福岡先生の著作を紹介しながら、科学に関する話題を話されていました。
 今回も画家フェルメールの話題が出ていました、顕微鏡の発明者とフェルメールが同郷で、同時代に生活していたらしく、顕微鏡発明者がフェルメールの作品のモデルとして描かれている、と。

 そして、福岡先生はいつも話されているんですが、フェルメールの作品を所蔵している美術館で鑑賞することをライフワークのひとつにされていると今回も話していました。

 それにしても、いつも笑顔で自然について語る先生は魅力的でした。

 今回は、現役の大学生や院生も聴講していて、トーク後の質疑も学生からのものが多かったようです、概念的な質問に答える福岡先生の語りも格別。
 自分も叶うなら学生に戻って、大学の講義室で自然や生き物について聴講してみたい。

 
 90分という時間はあっという間に過ぎてしまいました。
 サイン会も用意されていましたが、今回は遠慮して帰路につきました。

 青山ブックセンターでゆっくり本を見たかったですが、遅くなりそうなのでサクッと切り上げました、この本屋さんは個性があって週末の夜など、まったりと過ごしたくなる場所です。

 そう言えば、トーク冒頭で福岡先生も、「人恋しくなるとこの本屋を訪れる」と詩人のようなことを話されていました。
 世辞も含まれているでしょうが、まんざらそれだけでもなさそうでした。

 
 また、機会があったら、福岡トークを聴きたいと思います。




posted by 雪になあれ at 22:59| 埼玉 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 福岡伸一 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月16日

ルリボシカミキリの青 福岡伸一



 ルリボシカミキリの青
 福岡伸一

 文藝春秋

 9784163724300.jpg

 この本は、週刊文春に連載中の福岡伸一先生のコラムをまとめたものです。題材1つが本書でだいたい3ページほどの文章でした。
 「福岡ハカセのパラレルターン・パラドクス」というタイトルのコラムだそうです。

 そんな連載があるとは全く知りませんでした、2008年5月からの約70話をテーマごとに編集しています。

 読んでみると、いつもの小説のような印象はなく、違和感のある不連続な話が続いていて物足りなかった気がします。自身を福岡ハカセという主語で書いているところもなんだかなぁって感じ。
 週刊文春での連載で定型句として引用していると理解しても、?かも。

 書かれているテーマは、これまで福岡先生が著してきた「プリオン説への疑問」や「動的平衡」、「昆虫好きな少年時代」などなど、科学的なコラムに目新しさは感じられなかった。

 自分としては、福岡先生のプライベートな話に興味が湧きました、そのネタは雪山に関することでした。福岡先生が初めてスキーに行った時の話とその後に雪山に取り憑かれて雪山通いをしている話には親近感を持ちました。

 スキー検定(バッジテスト)も受験していると聞いて嬉しくなりました、福岡先生も雪山へ行ってるとは・・・


 先日、オアゾの丸善に行ったら、この本が大量に入荷されていて、福岡先生の人気に改めて驚きました。福岡先生が昨年読んだ本でお勧めとして紹介されていた「分類思考の世界」も売れ行きが良さそうだし、福岡先生の市場に与える影響力は凄いですね。

 そのオアゾで、福岡先生の色紙が飾られていたので、パチリと。
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 福岡先生の次の本に期待したい。



posted by 雪になあれ at 16:25| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 福岡伸一 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月18日

思考する豚 福岡伸一訳



 思考する豚
 ライアル・ワトソン 著
 福岡伸一 訳
 2009年10月26日
 ISBN978-4-86324-017-9 C0045

 HTbookCoverImage.jpg


『あなた方は研究室で虫を拷問にかけ、細切れにしておられるが、私は青空の下で、セミの声を聞きながら観察しています。・・・』



 先日、福岡伸一先生の対談を聴きに行った時に、その場で購入してサインをいただいた本です、読破に3週間かかったことになる。

 10月25日でした、青山ブックセンターで開催された作家の上橋菜穂子さんとのトークライブ。福岡先生の生の声が聴けて感激した日でした。

 この本はライアル・ワトソンという動物行動学者が著した「豚」にまつわる話を翻訳したもの、原作者はアイルランドの最果ての地で石造りの家の中で海を見ながら書き上げたとされていて、何ともロマンチックな印象です。
 間違いなく原作者は、「豚」に愛着を持たれているが、その分を差し引いても「豚」の知性や人間への貢献度、愛らしさが伝わってきます。

 とにかく信じがたい豚との関わり、それも生涯を通じて豚と関わってきた経験を書いています。豚が「声」や「仕草」で意思表示していることまで本人は理解していた件があって、尋常ではない雰囲気もあったが、自分は面白く読んだ。
 共に生活し、日々観察していれば、普通の人間が一辺倒にしか聞き取れない鳴き声にも種類があって、その意志を理解できるものかもしれないと思えてくる。

 350ページにわたる豚物語、福岡先生特有の素人に優しい丁寧な翻訳が伝わってくる。退屈することなく読み終える事が出来たのは、原作の質の高さだけではないと思われる。
 普段から読み手の視線を意識した文章を心がけている翻訳者の力があればこそ、です。

 自分は、翻訳者のあとがきが読みたくて読破した要素もあります。トークライブの最後に福岡先生が紹介されていたファーブルの「言明」に辿りつきたくて・・・

 そしてそのあとがきには、こんなことも。
 ライアル・ワトソンがこの本を執筆したアイルランドの家を、訪ねています。どんな風に吹いているのか、どんな風景を見ながら書いていたのか、翻訳にあたって自分の目で見ておきたい、と。

 このあとがきを読んだとき、福岡先生は本の内容よりも、この動物行動学者の人柄に興味があったのだろうと感じました。
 アイルランドの最果ての地にある家、パソコンもタイプライターもない・・・自然の中で豚を愛した結果著した本、そんな原作者の生活に触れて、ファーブルの言葉にまで繋がったわけです。

 ワトソンが他界したのは、2008年のようで、福岡先生が翻訳活動に入った時にはまだ存命だったと思われるが、本人に会ったことがあるかは読み取れなかった。

 もう1冊、翻訳した「エレファントム 象はなぜ遠い記憶を語るのか」という本があるので、いつか読んでみたい。

posted by 雪になあれ at 00:19| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 福岡伸一 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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