2011年05月23日

ポアンカレ予想 ジョージ・G・スピーロ



 ポアンカレ予想 ジョージ・G・スピーロ
 早川書房



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 名前だけは聞いたことのある数学界の命題、ポアンカレ予想

 以前、この予想が解決されたと話題になった頃、数学界の解決までの道のりと、解決した当事者(ペレルマン)を追ったNHKスペシャルを観たことがあって、読む気になりました


 読んでみると、解決までの長い歴史、関わった学者たちが徐々に核心に近づいていく物語風になっていて興味深い

 ただ、専門的な記述もあって、理解するのは大変、自分の場合は大半は理解不能でした


 中心は、予想したポアンカレと解決したペレルマンですが、予想から解決までの一世紀の時間の過程も詳細に書かれていて面白い

 ポアンカレ予想を、証明するために、証明する対象(事象?)を置き換えていく数学者達の苦闘やライバルとの競争心などなど

 読み終えてみると、従来の解決手法と視点を変えたようなペレルマンの柔軟な思考、数学の問題を解くのに物理学的な思考も動員し数学と融合した解決法だったようで、ペレルマンの偉大さだけは実感できます


 ペレルマンの境遇が、数学だけでなく物理学の素養も身につけさせていたことが、この難題を解決させたということでしょうか

 既に有名な話ですが、フィールズ賞など数多の栄誉ある賞、加えて多額の賞金までも辞退するペレルマンの「姿」が一層希有の才能を際だたせていて、まさに「事実は小説よりも奇なり」です


 数学界から去った現在も、新たな命題に取り組んでいるとされていて、また世界中が驚かされる展開があるかもしれないと思うと愉しみでもあります


 あのNHKスペシャルをもう一度観たくなってきた


 2007年10月22日(月) 午後10時〜10時59分
 総合テレビ
 
 100年の難問はなぜ解けたのか 〜天才数学者 失踪の謎〜


 宇宙に果てはあるのか?宇宙は一体どんな形なのか?

人類が長年、問い続けてきた謎に大きく迫るヒントが去年見つかった。百年もの間、誰も解けなかった数学の難問「ポアンカレ予想」が証明され、宇宙がとりうる複数の形が初めて明らかになったのだ。世紀の難問を解いたのはロシアの数学者グリゴリ・ペレリマン(41)。その功績により、数学界最高の栄誉とされるフィールズ賞の受賞が決まったが、彼は受賞を拒否し、数学の表舞台から消え去ってしまった。その真意をめぐって様々な憶測を生んでいる。「ポアンカレ予想」にはこれまで、幾多の天才たちが魅了され、人生のすべてを賭けて挑み、そして敗れ去ってきた。ペレリマンがその栄誉に背を向け、姿を消したのはなぜか。そもそも数学者はなぜ難問に挑み続けるのか。番組は、ポアンカレ予想が解けるまでの百年にわたる天才たちの格闘のドラマを追い、ともすれば取りつきにくい純粋数学の世界と数学者たちの数奇な人間模様を描いていく。CGと実写の合成を駆使し、“天才の頭の中”を映像化する知的エンターテイメント番組とする。






posted by 雪になあれ at 22:24| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 本(実用書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月04日

電子書籍の衝撃 佐々木俊尚



 電子書籍の衝撃
 佐々木俊尚
 (株)ディスカヴァー・トゥエンティワン

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 著者インタビュー


 自分にはとても面白かった、ほとんど知らない世界の話が新鮮でした。近年話題となっている電子ブックの話を時代背景や出版業界の在り方まで掘り下げて紹介している本でした。

 アマゾンのキンドルとか全く聞いたこともないほど、世間ずれしていたので、インターネットを取り巻く近況を知らされることになりました。

 最近話題のiPADは聞いたことがあったので、アップルのこの製品にはそんな一面があったのかと感心したりしました。ITの世界は日々進化してるというか、凄いなあと他人事のようですが。

 とにかく今後の本(出版)の在り方が変わっていくであろう、これまでの経過とこれからの進むべき方向性を予感しています。
 既に成熟している音楽配信の世界を引き合いに出して、それを先行事例として読者にとって最良となる出版界が進むべき電子化への道を提案しています。

 より安価に万人に良質の「本」が届くように、と。
 出版界の状況をよく知っている著者は、現状の課題を暴露していて勇気ある発言も多々見受けられました。
 確かに歴史のある出版業界には悪しき慣習もあるに違いない、新しい出版形態が起ち上がろうとすれば、最初は抵抗勢力があるでしょう。

 この本を読んでいて、著者が予言(期待)するような出版の在り方が実現すれば、読者が調達する本の傾向に変化があって、私たちの生活感や知識の方向が変わってくるでしょう。違った思考が生まれてくるような気がしますね。
 インターネットってどこまでも凄い、ってことですね。

 とにかく面白い本でした。
 本音としては、自分の無知ぶりにも呆れてます。




posted by 雪になあれ at 01:16| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 本(実用書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月07日

分類思考の世界 三中信宏



 分類思考の世界
 なぜヒトは万物を「種」に分けるのか

 三中信宏
 講談社現代新書

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 命あるものの種を学術的に分類整理する仕事をこなしてきた著者が、分類することの意味や歴史や分類する側の思考のスキームのような部分に切り込んだ本、思索にふけり自身を納得させる境地にたどり着いたように読めます。

 普段何気なく感じている種の分類方法については、感心したり納得したりしている我々ですが、当然専門家が長年にわたって積み上げてきた理屈があります。
 この本はそんな専門的な内容を紹介することに主眼はなく、種を分ける側の思考を立体的に解明しようと試みている。種の分類に時間軸と空間軸があるように。

 実際の学問としての種の分類には結論はないと思われるが、そもそも種とは何かという命題を解決することと同義であるのかもしれません。
 この本は全体的に観念的に展開していて、具体的なものがなくても、分類する側の宗教がそう(分類)させるというような・・・

 自分の能力をはるかに超過した本でしたが、読んでいて楽しかった印象です。この本を読んだ動機は、化学者である福岡伸一先生が推薦していたのがきっかけです。
 昨年度の新書の中から福岡さんが一番面白いとしていました。

 作者の三中信宏さんのホームページものぞいてみましたが、風貌がなかなかいいです。他に「系統樹思考の世界:すべてはツリーとともに」という著作があるので、機会があったら読んでみたいと思う。



posted by 雪になあれ at 23:56| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 本(実用書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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