2013年03月05日

小さいおうち 中島京子 読書感想



 小さなおうち 中島京子 文藝春秋


 直木賞受賞時、読んでみたいと思いながら読まず、文庫化を機会に読みました

 読後、時間が経ってますが、あの余韻はいまだに残ってます

 東北の田舎から女中奉公に出た少女ハルの記憶、晩年に自身が記録した「愛した家族の物語」・・・と簡潔に記すには違和感がありそう・・・

 そんな簡単な物語ではないですね

 女中ハルの時代、晩年ハルの時間、「小さなおうち」が幕を閉じる時、すべての真実が結実する時、こんなにも多彩な時間を巧みにひとつの小説に凝縮してくれた作者に感心します

 最終章での視点を変えて真実に迫る手法も巧みでした
 
 最終章でこれでもかと伏線を次々と解き明かされたのには、すっかりやられました

 いくつかの時代があり、真実が解かれる時代までを錯綜させていて、登場人物それぞれの純粋な気持ちに心打たれました

 登場人物それぞれの気持ちを考えると、どこまでも哀しいが、ただその時その時の皆の決断が潔く清らかで、そこがまた余韻を深めています

 こんな気持ちにさせられた小説は、なかなかないですね

 脱帽です、まいりました 






posted by 雪になあれ at 21:53| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 中島京子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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