2011年06月06日

三陸海岸大津波 吉村昭



 三陸海岸大津波
 吉村昭
 文春文庫


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 吉村昭さんという作家に初めて出会いました。
 数年前に逝去されています。

 三陸海岸を襲った津波の歴史を調べ、記録した貴重な本で、恐らくそうは書物として残っていない文献を足で調べ上げたんでしょう。

 さらに歴史を知る人たちの証言なども記録、昭和8年の津波の記録の中には当時小学生だった子供達の作文も掲載されています。

 この本を読んでみると、明治と昭和という、そう遠くはない過去において、同様な被害があったことに驚きます。

 歴史の教訓から防潮堤もあったはずなのに、それを超えて今回の事態となってしまったことは残念です。

 そして、この本の印象としてもうひとつ書いておきたい。

 それは、吉村昭さんという作家が、この記録文学を著した動機・・・読んでいると自然に吉村さんの三陸海岸への思いが伝わってきます。

 この地方を旅した者なら誰もが感じる、海岸線の素晴らしさ、海と関わる日本人の暮らし風情、旅愁だけに止まらない何とも言えない感情に包まれる、そんな作者の気持ちが落ち着いた文章として書かれていて、読者に伝わってきます。


 いくつか印象的な文を抜粋してみます・・・

 「私は、何度か三陸海岸を旅している」

 「私は、三陸海岸が好きで何度か歩いている」

 「三陸地方の海が人間の生活と密接な関係をもって存在している」

 「三陸海岸の海は土地の人々のためにある」

 「海は生活の場であり、人々は海に真剣に向かい合っている」

 「私は、今年も三陸海岸を歩いてみたいと思っている」

 
 とにかく作者の真摯な姿勢に関心します、初めて読んだ作家さんですが、別の著作を早速読み始めています。





posted by 雪になあれ at 23:00| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 吉村昭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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