2010年04月01日

赤々煉恋 朱川湊人


 赤々煉恋
 朱川湊人
 東京創元社


 55002.jpg

 朱川作品への思い入れが、「花まんま」、「かたみ歌」から始まった人には受け入れがたい展開です。自分は6冊目になりますが、前回読んだ「白い部屋で月の歌を」もややダークですが、今回のは相当です。

 短編5話はどれも「死」につながる不思議な物語、それは人の「恋のような思い」が紡ぎ出す暗の世界でした、読後感は読む人によっては最悪になりそうなテーマです。

 本書の解説者が書いています、優れた作家は明と案を書き分ける才能がある・・・そのとおりかもしれません。
 花まんまやかたみ歌は、同じ死を扱っていながら、読後感は清々しい。対して本書の後味の悪さと言ったら。

 この作品集のタイトル、「煉恋」、思い詰める行く末にある「恋」を煉り合わせた結果がこれらの結末を生むという世界観を築く発想が、朱川さんの凄いところ。

 また朱川作品を見つけたら、読み進めたい。



posted by 雪になあれ at 23:43| 埼玉 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 朱川湊人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 ご無沙汰しています。

 私は昨日、朱川さんの新作『太陽の村』という単行本を読み終えました。
文庫じゃないので買えず、図書館で予約を入れて借りたのですが、
これはこれで『花まんま』や『かたみ歌』とはまったく違った、
想像するだに愉しく(森見作品のような)奇天烈で痛快なお話でしたよ!
こういう作品も書かれるのだなぁ、と知りました。

 こちらの作品はダークなのですね・・・?!
覚悟して挑んだ方が良さそうですね(笑)
機会があったら、読んでみたいです。
Posted by あんず at 2010年04月16日 01:03
あんずさんへ

久しぶりにコメントをいただけて喜んでいます
この本なんですが・・・
この本は積極的に勧められないほどダークです
解説者もその点に言及していて、明と暗を書き分ける才能を認めていました
「花まんま」を書かせる力を負の方向へ振ればこういった作品になると感じました
作品には性格がないので読む人の感性なんだと思うんですが、自分には効きましたね

新井素子さんと朱川さんの作品を記事にされていましたね
太陽の村の感想はまだアップされていないようなので、楽しみにしています
Posted by 雪になあれ at 2010年04月17日 11:41
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