2010年03月07日

風の墓碑銘(エピタフ) 乃南アサ



 風の墓碑銘(エピタフ)上・下
 乃南アサ
 新潮文庫

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 先日、乃南アサ原作の「凍える牙」がテレビドラマ化されたのを観て、この作家の本を読みたくなりました。
 随分前によく読んだ作家で、しばらく遠ざかっていました。音道刑事シリーズも何冊か読んでいて、今回も意識してそのシリーズを読みました。

 やっぱり面白い、文章がうまいうえに人の描き方は相変わらず達者です。今回の音道と滝沢の心理描写は抜群です、ふたりのいがみ合いが楽しく読み進む原動力になっていました。
 特に今回の話は、事件性よりも登場人物個々の生き方みたいなものに重点が置かれたような作風で、死者も含め登場人物ひとりひとりの気持ちを考えさせられます。

 過去と現在の事件を結びつける展開もさすが、上下2巻という長丁場ですが個々を丹念に書き上げていて、それぞれの動機も十分に理解できました、納得させられた気分です。
 
 終盤、鳴子に行って事件の核心にいたるくだりは、もっと膨らませることが出来たような気がしましたが、ページに制限があったのか。特に鳴子へは、音道と滝沢に行って欲しかった気がします。
 少しずつ事件(動機)の核心に迫るあたりは読ませます、テレビドラマ化すると良さそうです。

 今回の話は、音道と滝沢の私生活の描写があって、ふたりにさらに親近感が湧きました。ふたりの刑事の今後に興味を持たせたまま清々しく終わった感じです。
 またふたりの続編が読みたい、そんな気にさせられました。


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posted by 雪になあれ at 15:38| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | 乃南アサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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