2013年05月23日

風少女 樋口有介 読書感想


 群馬県前橋市を舞台にした小説

 大学のために都内に出た若者が出身地に戻って展開する事件

 中学時代の仲間との当時と現在の心理描写があって、何気ない事件が時間と土地と絡んでノスタルジックな気持ちになりながら読めました

 前橋市を中心とした群馬県の土地勘もあるので、主人公斎木が真っ赤なシルビアで訪ね歩く風景が浮かんできました

 赤城山の南側に広がる平野にある前橋市、赤城山中腹から見える夜景の綺麗な土地です

 登場人物たちは、それぞれが中学から高校に巣立ち、大学や就職で散らばるが、中学時代の友人関係から引きづる動機から事件が起き、かつての仲間たちが集ってくる展開は読み進む原動力になりました

 たった6年前くらいの時間差が近いような果てしなく遠いような、危うい年齢だった読者の記憶が呼び覚まされる気がします

 派手な展開にせず、主人公とかつての友人たちとの会話を大切にした手法が好ましく思えた

 トリックというか動機の月並みな感じは否めないが、犯人を放置した終い方は余韻があっていい感じがしました

 謎解きのみを主体にした小説ではなく、その懐かしさを紡ぎだすことに作者が注力した結果だと思う

 作者の初期の作品で代表作となっている「ぼくと、ぼくらの夏」を読んでみたくなった















posted by 雪になあれ at 22:50| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 樋口有介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月20日

ボンディBondy 神保町


今日は神谷町に来てます

お昼の話など



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途中、神保町に寄って、欧風カレーボンディさんでビーフカレーいただきました

ゴロゴロした牛肉がたくさん入っていて、ボリュームあり

ライスにチーズも載ってます

付け合わせ?のジャガイモ二個も効いた

腹いっぱいです


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欧風カレーボンディ
http://www.bondy.co.jp/





posted by 雪になあれ at 12:19| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月19日

時計じかけのオレンジ 読書感想



 時計じかけのオレンジ
 アントニイ・バージェス
 早川書房



 あらすじはある程度予備知識があったのに、独特な文体でやや読みづらかった

 主人公アレックスの語りに特徴があるのと、俗語訳に違和感がある

 「ビブリア古書堂の事件手帖」で取り上げられていたので読んだ本です

 ふたつの結末があるという話題に興味があった

 最終章に興味があった

 原作者の意向と有名な監督キューブリックによって映画化された経緯が複雑さを増したとか

 読んでみるとストーリーは非常にシンプルだと思った

 わずか15歳で悪事を繰り返すアレックス、人は善悪の区別が付けられず本能的に行動する動物

 事の善悪は人が性格付けするもので、「事」そのものに善悪の性格はない

 そんなメッセージのように受け止められる

 政府がアレックスの更正に関与する

 政府が事の善悪の性格付けをする機関で、何か抑圧された世界観がある

 それは人の自由を阻害されることに繋がり、アレックスの更正の裏側には人の自由を奪われてしまう恐怖感がある

 この小説の設定で不思議なことがある

 悪人アレックスがクラシックを愛していること

 あれほどの悪事を働く人間がクラシックを聴くなんて自分としては理解しがたい

 節目節目でクラシックを鑑賞するアレックスがいて、政府に更正されたアレックスがまた悪人に蘇るシーンでのクラシックの描写は怖さを増している

 小道具としてのクラシックは大成功だ

 話は前後してしまうが、アレックスが更正し社会に釈放されて、たどり着いた「時計じかけのオレンジ」の作者の家でのくだりは素晴らしいと思った

 非常に宗教的な感じもするし、アレックスが窓から飛び出すほどに追い詰めらる臨場感は良かった

 そして注目の最終章

 ここもやや分かりづらい感じでした

 巻末の解説が素晴らしいのと「ビブリア・・・」での紹介があったので理解できた感覚です

 自分が感じた最終章は解説にあるとおり宗教的な予感がします

 アレックスはこの物語の中で二度更正したことになる

 悪人に戻ってしまったアレックスは、自分の力で本来の人間に戻ったと読めました

 自分の中に違和感を感じ始め、かつての友人との出会いをきっかけに自分のわだかまりを悟り、人としての全うな道を知ることになる

 自分の進むべき道を見つけ、その道を進むことを高らかに宣言する

 政府の力で更正させられたアレックスは、自分の意思で悪人に還り、自分の力で再度更正する

 これこそが人間の尊厳というか自由だということを原作者は伝えていると感じました

 家族への暴力や暴言はなかったことも原作者の宗教的なメッセージのような気がしてくる

 映画的には、最終章の描写はなく仕上げると恐怖感が増す感じがしますね

 自分は映画は観ていないので機会があれば観てみたい

 確かに最終章があるのとないのとでは全く違うものになりそうです

 原作者が書こうとしたことが最終章で結実しています

 これがないと何のメッセージもない話になって小説にならない感じがします

 最終章の余韻、これこそが小説の醍醐味だと思う

 読んで良かった小説でした

 暴力シーンがあって怖いイメージが読まない動機になってしまうとしたら、もったいない気がします

 多くの人に読んでもらいたい気がします


 それから、「ビブリア・・・」では小学4年生の栞子が書いた読書感想文がテーマでした

 確かに小学生が、しかも女の子がこれを読んでいたとしたら凄いかもしれないですね

 自分が購入した早川書房の「時計じかけのオレンジ」には、「ビブリア古書堂の事件手帖2」に登場!という帯が付いてました

 結構、この流れで読んでいる人が多いのかもしれません 


 

posted by 雪になあれ at 22:58| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 早川書房 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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