2009年10月25日

「生きものの理をもとめて」福岡伸一×上橋菜穂子トークライブ



「生きものの理(ことわり)をもとめて」
 福岡伸一×上橋菜穂子 トークライブ


 ■2009年10月25日(日)13:00〜(開場12:30〜)
 ■会場:青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山

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 今日は、青山ブックセンター(ABC)本店で行われた福岡伸一さんと上橋菜穂子さんのトークライブに行ってきました。対談のテーマは「生きものの理をもとめて」というもので、両者共に「自然」や「生きもの」について作品を世に送り出している共通点があるようです。

 考えてみると、ここ青山は福岡先生のお膝元です。
 青山学院大学の研究室から徒歩でいらっしゃったのでしょうか。

 青山ブックセンターは、青山通りから少し入ったところ。
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 ABCのホームページから、対談の趣旨や両者のプロフィールを引用すると・・・こんな感じです。

 <イベント内容>
 科学者と作家。まったく土俵の違うお二人の書く作品には、しかし驚くほど通底するところがあります。それは自然の摂理に対する畏怖の念であり、それでも真実を探究せずにはおれない人間の業です。お互いの作品を読み解きながら、なぜそういう自然観・世界観に至ったのか、存分に語り合います。

 <プロフィール>
 福岡伸一 (ふくおか しんいち)
1959年東京生まれ。青山学院大学教授。専攻は分子生物学。著書に『もう牛を食べても安心か』(科学ジャーナリスト賞)、『プリオン説はほんとうか?』(講談社出版文化賞科学出版賞)、『生物と無生物のあいだ』(サントリー学芸賞、新書大賞)、『できそこないの男たち』、『動的平衡』などがある。

 上橋菜穂子 (うえはし なほこ)
1962年東京生まれ。作家・川村学園女子大学教授。専攻は文化人類学。オーストラリアの先住民族アボリジニを研究。著書に、『精霊の守り人』(野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞)をはじめとする「守り人」シリーズ、『狐笛のかなた』(野間児童文芸賞)などがある。


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 自分は福岡伸一先生目当てでした。いつか生の声を聴いてみたいと思っていたことが実現しました。テレビ出演があればチェックしていたので、進行役の紹介で登壇した福岡先生にすでに親近感。
 よくよく拝見していると結構特徴のあるお顔です、先に上橋さんが登壇されましたが、上橋さんにもなぜか親近感、小学校の教頭先生や校長先生のような風貌です。(失礼 汗)

 客層は、女性が圧倒的に多かったようです。座席は先着順で最前列はほぼ女性陣でした。自分は開場後15分くらいで入ってみるとほとんど埋まっていて、それでも図々しく前方に行ってみるとポツンと席が空いていたのでラッキーでした。
 2列目でステージに向かって右から5席くらいの位置、通路から入って2席目でした。

 着席してみると、ステージ左側は正面に見える、どうも右側は顔が見えないかもしれないと思っていると、左側に福岡先生が着席されたのは非常にラッキーでした。対談中、慎重に言葉を選んで話されている表情が印象的でした。

 進行役は女性、客層も女性が多いということで、福岡先生もアウェイだと言いながら楽しんでいるようで、対照的によくしゃべる上橋さんの言葉を受けて、話が膨らんでいく様子にこちらも楽しめました。

 福岡先生ファンであるせいか、先生の言葉ばかり印象に残っていました。自然(生きもの)を理解するために人間は自然を犠牲にしている、そうしなければ人間は自然を理解することが出来ない、世界や自然を俯瞰することは、どうあっても出来ない・・・言葉で表現される以上の意味が含まれているようで福岡先生が追究しているテーマの深さに畏敬の念を抱かされますね。

 冒頭、福岡先生が上橋さんの作品「獣の奏者」の感想を述べながら、「みつばち」が物語によく引用される意味について語られていて、この入口の話から自分は惹きこまれていたようです。

 「フェルメール」の絵画の話も素敵でした、生涯をかけてフェルメール作品を所蔵されている美術館まで足を運んで観たい、と。既に半数は観てきた。フェルメールの絵画は、ある一瞬を捉えた作品だが、幾らかの時間の経過が凝縮されていることを感じる・・・というような趣旨のことを述べられていました。

 自身が、蝶の羽の色や形を知ることが出来るのは、「蝶を捕らえ標本にして初めて実現できる」こと。しかし、その「知る」を満たしたときには、蝶は既に死んでいることになる。
 蝶の死がなければ、何も知ることが出来ない。この話を引用して福岡先生は「世界」を俯瞰したいが、生命の犠牲をもってしても俯瞰を実現できないジレンマは、フェルメールの絵画で幾らか緩和されていると感じているのかもしれない。
 その絵画には何の犠牲もないし、時間を切り取っていながら時間の経過を感じられるから、なんでしょう。

 そして最後に福岡先生はファーブルの話を持ってきていました。
 ファーブルの科学(者)を皮肉った一節で、福岡先生は強く印象づけられているようでした。
 その一節は、福岡先生の訳書「思考する豚」のあとがきに記載があるようで、その本を朗読する形で締めていらっしゃいました。
 「思考する豚」は、福岡先生の最新刊です。

 とにかく今日は、自分は満足しました。
 話の内容ももちろんですが、思っていたとおりの人柄に触れられたからでしょう。言葉を選んで聞き手が理解できるように話される真摯な姿勢を感じました。

 自分がもし青山学院大学の学生であったら、福岡先生の講義は可能な限り聴講したい。福岡先生の講義を聴ける学生がとにかく羨ましい。

 午後1時から始まった対談は2時間くらい。その後質問タイムがあって、サイン会に流れていきました。
 あまりサインなど貰う質ではないのですが、福岡先生がファーブルの話をされていたので、その本にサインを貰うことにしました。サインをいただいて、握手を求めると両手で応えてくれました。

 福岡先生のお顔をこんなに間近で見られるとは感動でした、改めて気付いたのは、いつも笑顔だっていうことですね。
 また機会があれば、講演会などに足を運びたい。

 今回の対談は、ネットと週刊文春(?だったか)に掲載されることが司会から紹介があったので、注意して過ごしたい。

 それから、福岡先生はこんなことも話されていました。
 「人間(じんかん)到る所青山(せいざん)あり」と。
 つまり明日の自分はどうなるか分からない、最後の言葉になるかもしれない、と。
 ネット辞書で調べてみると、「青山(せいざん)」には、墓の意味があるようです。青山墓地だけに・・・

 ネット辞書引用
 〔蘇軾の詩「授二獄卒梁成一以遺二子由一」の一節「是処青山可レ埋レ骨」から〕骨を埋める地。墳墓の地。

 とにかく色んな分野から例え話やテーマを補強する話を引用して、丁寧に話されていました。
 上橋さんが「老子」の話をすれば「こんとん」の話をされ、「獣の奏者」の感想で「みつばち」を持ち出しては「ミツバチのささやき」の映画の話をされたり、と。

 日頃から専門分野に縛られない自由な視点で物事を考える姿勢がある、そんな印象を受けました。そんな闊達で自由な意識を持っている福岡先生が著す本は読む価値が十分にあると改めて感じました。
 自分にとって収穫のある一日になりました。

 最後に福岡先生に対する自分の希望としては、福岡先生の書いた小説を読んでみたいことです。


posted by 雪になあれ at 20:59| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 福岡伸一 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月24日

明日は青山から御茶ノ水界隈を散策



 今日は、粗大ゴミを市の清掃場に運んだり家の中の掃除をしたりと活躍してました。

 夕食後に癒しを求めて、イオンに行ってみました。もうスポーツ用品店は週末ごとにウインタースポーツ商品の陳列スペースを拡大していて雰囲気が出てきてます。
 そろそろ夜は足もとに冷えを感じる季節だし、山では人工雪を造り始めてるようです。

 スキージャーナルも12月号が発売されていたので、それを持ってコーヒー屋さんで寛いできました。雑誌の用品記事を見てると欲しくなって仕方ないですね。
 明日、渋谷方面に出掛ける用事があるので、御茶ノ水界隈を歩いてみようかと思い始めてます。

 土曜日の夜更かしは好きな質なんですが、明日は早めに出掛けられるように、もうやすむことにしよう。

posted by 雪になあれ at 23:19| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月18日

知的創造のヒント 外山 滋比古



 知的創造のヒント
 外山 滋比古 著
 ちくま学芸文庫

 刊行日: 2008/10/08
 ISBN:978-4-480-09177-2

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 これで何冊目になったか、外山さんの文章の魅力に読み進んでます。恐らく書かれていることのほとんどを自分のものには出来ていないけれども、読む快感があります。

 今回のは、知的創造についてですが、他の著作にも共通しているのは、「心構え」を指南されているんだと感じる。自分でまず考えるというのはなかなか実践できないこと、しかもそういう姿勢が日本人には身に付いていないし、教育も受けていない、と。

 これまで読んだ著作で一貫して苦言を呈しているのは「教え込む」日本の教育のあり方。確かにそうかもしれないですね、テストの点数が成績に直結する環境で育ってるわけだから、自発的な発想というのはなかなか出来ないこと。逆に個人の着想というのは、集団教育の中では邪魔にされるのかもしれないし。

 著者はその部分をいつも問題視していて、グライダー人間に個性を持たせようとしている。
 今回は、独創を実践させるための日常から心がけたい具体的な方法論を展開していました。

 そして、相変わらずの比喩の引用の仕方には感心しました。特に後半に出てくる「酒」や「料理」から展開させる文章は、「芸術」の域として読んでいました。

 外山さぁーん、次も何か読ませていただきますよ。

posted by 雪になあれ at 00:05| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 外山滋比古 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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