2009年01月25日

まほろ駅前・・・回想



 今日は静かに晴れ渡った一日で、雪山のライブカメラをのぞいてみると、広範囲に晴れていたようで、最高のコンディションだったでしょう。

 今シーズンは、なかなか行く機会がなくて、トホホですが来月のトップシーズンには滑りに行けるようにしたい。


 先日、久しぶりに本を読んで、読書感想文を記事に出来ました。
 あの本(まほろ駅前・・・)は、リズム感のあるタイトルからして興味深い。

 文庫化されているのを見て、即購入でした。
 中盤くらいから面白さが加速してきて、仕事帰りに読書するためにコーヒー屋さんで休憩するほど、でした。

 今思い返してみても、展開がよく練られていて、伏線の描き方やさりげなく余韻を残す文章は素晴らしいです。

 書き足りなかったり書き過ぎたり、がない。
 とてもバランスが良く、読者に伝えるテーマには余韻が伴っている。
 普通の人には出来ないから、作家さんなんですね。

 自分も見習って、せめて上司を唸らせる資料を簡潔明瞭に作ろう、ちょっと比較になりませんが・・・


 特に今期の直木賞決定の時期と重なっていて、読みながら「直木賞」に必要な簡潔さみたいなものを意識させられました。

 今回直木賞を受賞された天童荒太さん、一時期何冊か読んでいました。
 印象に残っているのは「孤独の歌声」と「永遠の仔」。

 特に後者の方は、力作でしたが、直木賞には届かなかった。
 確かに長編で、受賞には簡潔さが足りなかったようで、審査員からその点を指摘されていたような記憶がある。

 当時、言われてみると、そうかなあなんて合点がいったような気がしていました。
 ただ、天童さんの小説は、テーマは重いけれども、著者の課題に向き合う誠実さみたいなものが伝わってくるんですよね。

 今回受賞された「悼む人」、恐らくそこのところを修正してきたんでしょうね。
 彼は、テーマの掘り下げ方は、さすがですから。


 さあて、今日の記事を読み返してみると、いきなり天気の話から入って、先日の読書感想文に絡めて、かつての読書履歴から引っ張り出した思い出話などを書いて、明日からの仕事への姿勢みたいなものをサンドイッチ・・・

 起承転結もなければ、簡潔さも説得力もない。
 うーん、苦しいかな。

 とりあえず1月最後の一週間、頑張っていこうかと。

posted by 雪になあれ at 21:58| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月22日

まほろ駅前多田便利軒 三浦しをん



 まほろ駅前多田便利軒
 三浦しをん
 文藝春秋
 初版発行日 20090110
 ISBNコ−ド 978-4-16-776101-1

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 魅力的なまち、まほろ。
 展開は、巧みな構成力に支えられていました。

 多田と行天のいい加減な生活、几帳面なようでいてどこか抜けている、それぞれに聞き捨てならない背景と拘りもある。

 登場人物はみなどこか怪しく揺らめいているのに、深刻さよりもほのぼのとした空気感がある。

 この中途半端な空気感を、設定された「まほろ」というまちがどっしりと受け止めているところがいい。

 東京の外れに設定したこのまちの個性を、物語のあちこちに散りばめてあって、多田と行天が持つ郷土愛にいつのまにか共感していました。

 再開発で都市化しても、娼婦が立つ路地があったとしても、市内を貫き海まで注ぐ河川の源流もある・・・簡単に風景が頭に浮かぶ、知らないまちなのに、どこか懐かしさが湧いていました。

 容易に読者に連想させる巧みな文章があったから・・・巧みな文章は、その展開に加速感を付けていました。

 理不尽な拘りに突き動かされている多田と行天の背景を、徐々に解き明かしていく、季節感を交えながら。

 巻き起こる事件やそれぞれが持つ苦悩を、多田と行天の生い立ちに重ねてくるくだりには、圧倒された感がありました。

 自分の生い立ちをいくら後悔しようが肯定しようが、自分を越えられない未熟さは訳もなく憤りに形を変えてしまう。

 しかし課題を積み上げるだけじゃなく、具体的な希望を語らせてもいる。

 木村夫妻と北村の出生に関わる展開は、多田の揺れる気持ちを表現するのにとても効果的でした。

 多田は北村に自分を投影し、自分のもうひとつの未来を体感する。
 アポロンの太陽ブレンドを飲みながら、だ。

 ここでも文章力が光っている、多田に思わず過去を吐露させるきっかけ作りとして引用したこの北村の挿話、行天とのやりとりで徐々に多田の気持ちを高ぶらせていました。

 年末から始まるこの物語は四季を過ごし、2回暦を変えて新年を迎えて閉じられました。

 自分は読んでいて、行天が姿を消し師走のまま閉じられると思いながら読んでいました、その方が効果的だと思っていました。

 最後に持ってきた行天からの贈り物、かど松の置き場所に右往左往する多田の描写には余韻があって、素晴らしいと思っていました。

 ところがその期待は裏切られ、新年を迎え、行天は帰ってくる。
 また同じ四季が繰り返されることが暗示され、まほろというまちでの日常が始まる、と。

 そんな風に終わってみると、その話の閉じ方が実は相応しいと思えてきた。
 他愛のない日常は続くけれども、何かしら希望があり、まちや人は姿を変えても、捨てたもんじゃない。

 著者のメッセージが行間に木霊しているような、静かに心に響く小説・・・そんな印象でした。

 そして今思ってるのは、「風が強く吹いている」をどうしても読みたくなってきてます。

posted by 雪になあれ at 00:14| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 三浦しをん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月13日

猫を抱いて象と泳ぐ 新刊?



 nekozo.jpg

 先週末に本屋で見つけました。
 小川洋子さんの新刊?だと思われる本・・・「猫を抱いて象と泳ぐ」

 タイトルを理解するのに、暫し時間がかかるところが何ともまた
 タイトルからして、著者の壮大な妄想が展開してそうです

 出版元の文藝春秋のサイトで立ち読みが出来ます。
 冒頭を少し読んで、もう満腹になりそうでした。

 この手の展開は、彼女は大好きですけど、読む側はよっぽど好きじゃないと読めないいつもの図式になってますね。

 自分はいつ読むか・・・ずぅっと先のことになるでしょう。

 それまでよそ様の記事を読んでよ、と。

 とりあえず、創作は続いているって事で。

  • 猫を抱いて象と泳ぐ
  • 立ち読み

  • posted by 雪になあれ at 23:48| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説−小川洋子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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