2006年04月30日

アンネフランクの記憶



 アンネ・フランクの記憶
 小川洋子

 この本を小川洋子氏が著したのは、既に『妊娠カレンダー』で芥川賞を受賞(1991年)し作家として揺るぎない地位を築いてからのこと。

 自分が図書館から借りたこの単行本は、1995年8月25日初版。
 出発が6月30日(木)と記されていて、旅行したのは1994年であることが分かる。

 冒頭、『はじめに』として著者のアンネフランクへの深い思いが記されていていきなり興味深い。
 少女の頃(中学1年の時に読んだことが記されている。)から愛読し、作家を志す背景となっている『アンネの日記』、書くことの源泉にあるとまで書いている。
 
 読者としてのこの本のピークは前半に既にある。
 日本を出発する所から始まる日記調の構成で、いきなりこんな書き出しでした。

 仮病を使って修学旅行さえ休むほどの旅行嫌いなのに、アンネフランクの隠れ家とアウシュビッツだけは死ぬまでに必ず自分の目で見ておきたい。
 この思いを恐らく10年以上持ち続けていたんでしょう。

 小川氏はプロの作家としてレポートに徹した文章を心がけているようで、想像していたより感傷的だったり自分本位の感想になっていない。
 個人的には、そう(感傷的)であって欲しかったのかもしれません。

 しかし普段過度な修飾などせず簡潔に冷静に表現する彼女も、アンネフランクハウスでの描写は気持ちが高ぶっている様子が読み取れて、何だか彼女に親近感さえ湧いてくる。

 アンネが触ったに違いない鉄製の把手を何回か握り直したり、豆事件の滑稽さとその思い出のオットー(アンネの父)の辛さを思い計ったり・・・

 実はこのくだりは通勤電車で読んでいて、目頭が熱くなってこらえるのに大変だったりしました、いい歳して困りもんです。

 実はもう1カ所、感動したというか、小川氏が報われてこちらも嬉しくなったくだりがありました。
 フランク一家を支えたミープさんを訪ねて、アンネのゆかりの品々に著者が触れることが出来たこと。

 このミープさんがアンネフランクの日記や日用品を隠れ家から持ち出してくれたとのこと。
 その日用品の中に髪の毛にまつわる品々があり、それらを手に取ることが出来た。

 自分はアンネの日記は読んでないので深くは分からないが、『アンネにとって大事なもの−日記と髪の毛−アンネの精神と肉体が救われた』と記されていて、著者がどんな気持ちでそれらの品を手に取ったのか、もう想像の域は超えている。

 6月30日に出発して7月9日の帰りの機内での描写で終わるこの本、随所にアンネフランクの死を惜しむ気持ちが綴られていてその無念さが伝わる。

 そして読者としては、何よりもこの本が絶版だということが惜しい気がする。もしかすると重版はなかったのではないかと推測される。
 自分が借りているこの本も、履歴見ると自分が5人目(11年間で)、あまり読まれてる様子がなさそう。

 でも小川洋子氏の思い(気持ち)に、彼女の作家としての原点のような部分に、触れられる貴重な本でファンなら是非読みたくなる。

 『沈黙博物館』から繋がった『アンネフランクの記憶』、実は小川洋子氏がアンネフランクに傾倒していることは全く知らず、その史実もよく理解していない。
 『沈黙・・・』を半分も理解していない自分に気付かされました。

 『沈黙博物館』、時間をおいてまた読んでみようと思う。

posted by 雪になあれ at 23:54| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ−小川洋子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月29日

今日は走ってきました



 夕べは、読み始めてあっという間に睡魔にコテン、あの本の魅力よりも眠気に勝てない自分が・・・

 今日は午前中に熊谷スポーツ文化公園に走りに行くと、中学生ラグビーの練習試合に陸上部の練習にととても賑やかでした。

060429001.jpg

 国体会場からラグビー場までのジョギングコース全周を3周半程度、15km位か。
 気候も良くなってだんだん人も多くなってきた感じ、これから梅雨に入るまでが走るには一番いい季節かもしれない。
posted by 雪になあれ at 23:16| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ランニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月28日

あの本読み始める



 先週からずっと仕事が忙しくて、残業続きでした。
 火曜日はもう少しで会社に泊まるようでした。

 いよいよGW、明日は山の天気も良さそうで春スキー行きたいけど、早起き出来そうもないので諦めよう。

 この間の丸沼高原で終わりかと思ったけど、まだ行きたい気持ちがある。
 連休中に1回行ってみたい、『かぐらみつまた』か『志賀高原』あたりがいいか。


 あの本、読み始めました。
 冒頭に水着姿で海岸にたたずむ姉妹の写真が掲載されてる、アンネフランク姉妹であることが本文に記載されてました。

 訪問した地での小川洋子氏の写真の掲載があり、続いて『はじめに』と題して著者の深い気持ちが綴られている。
 アンネフランクへの思いや作家を志す気持ちが書かれている、そして『自分の肌で感じてみたい』と。

 今日は80ページまで読み進む、明日休みだし今夜読んじゃうかもしれない。
 すると明日は昼過ぎまで寝ることになるけど、どうだろ。

posted by 雪になあれ at 22:54| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 小川洋子・アンネフランク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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